サルブン  
2004+4

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こんにちわ、春。

夜中便所で小用をたしてたら
あたまの上にどうも気配がする。
みあげてもそこには便所の低い木の天井があるだけなのだが
どうも気配がある。
こころみにぐいっと天井を押してみる。
天井の木の板というものはごく薄く、基本的にはかるく留まっているだけなので
ふつう手に帰ってくる感触はへこりと頼りないもののはずが
あきらかになんらかの実体を持った重さのあるやわらかいモノの手応えがある。

さらにぐいっと押してみた。
すると手応えが消えた。
というか横に移動した気配。
その移動したと思われる場所をまたぐいと押すと
とたたたぎしぎしと音がして
気配がなくなった。

まあ、そんなことがあった春の夜。


(正体は裏の納屋内の屋根と壁のすきまから天井裏に寝床をもとめた子猫。)